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先週の知財ニューストピックス(6月5日〜6月11日)

6月12日(月)配信

 先週(6月5日〜6月11日)は、政府が「知的財産推進計画2023」を決定し、生成AIと著作権の問題を新たに検討分野に指定したニュースなどが報じられた。

「知財推進計画2023」、生成AIと著作権の問題で論点整理 対策検討へ

 政府の知的財産戦略本部は6月9日に会合を開き、「知的財産推進計画2023」を決定した。検討する分野として、新たに「生成AI」と著作権の問題を追加した。生成AIの技術発展と普及が急激に進む中、著作権侵害が大量に発生し、個々の権利者にとって紛争解決が困難となる恐れがあるなどと指摘。AI技術の発展とクリエイターの権利の双方に留意して必要な方策を検討するとした。
 整理すべき論点としては、①AIが学習用データとして著作物を利用する際に、現行の著作権法で「著作権者の利益を不当に害する場合」をどう定義するか、②AI生成物が著作物と認められるために、利用者にはどのような創作的寄与が求められるか、③学習用データとして用いられた著作物と類似するAI生成物が利用される場合の著作権侵害についての考え方の3点を挙げた。

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知財関連の改正法6本が成立、メタバースの模倣品にも対応 商標登録要件も緩和

 不正競争防止法や商標法など、知的財産に関連する法律6本の改正法が6月7日、参院本会議で可決、成立した。
 改正された不正競争防止法では、メタバース(仮想空間)などのデジタル空間上でも、商品形態の模倣行為を不正競争行為の対象とし、差し止め請求権などを行使できるようにした。さらに、秘密として管理されたビッグデータも限定提供データとして保護し、侵害行為の差し止め請求などを可能にした。このほか、損害賠償訴訟において、侵害された側の生産能力を超えるとして賠償が否定されていた損害分についても、ライセンス料相当額として損害賠償請求できるようにした。
 商標法については、登録可能な商標を拡充した。氏名を含む商標は要件を緩和し、一定の条件下で登録できるようにした。他人がすでに登録している商標と類似する商標についても、先行商標権者の同意があり、出所混同の恐れがない場合には登録できるようにした。
 成立した改正法6本は、不正競争防止法と商標法のほか、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法。

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特許公開制限、ステルス性能や無人航空機技術など25分野を検討=報道

 各紙の報道によると、2022年5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、政府が「特許の公開制限」をかける25の技術分野をまとめたという。6月7日付読売新聞の記事では、非公開とする対象には、レーダーに捕捉されにくいステルス性能や、武器と関連性のある無人航空機・自律制御技術、音速の5倍以上の極庁音速飛行に関連する技術などが選出されたとしている。同記事によると、政府は6月中旬にも経済安保法制に関する有識者会議を開き、パブリックコメントなどを経て2024年春頃の運用開始を目指す考えだという。

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偽造ラベルはったゲームソフトで返品詐欺

 通販サイトで購入したゲームソフトに不具合があると偽り、偽造ラベルをはった模倣品を返品してギフトカードを受け取っていたなどとして、京都府警が6月7日、福島県いわき市在住の男を詐欺と商標法違反の疑いで逮捕した。複数のメディアが報じた。
 男は、正規品を通販サイトで購入し、中身の商品を偽造ラベルをはった中古品と入れ替え、不具合があったとして返品してギフトカードを受け取っていたという。偽造ラベルをはった中古ソフトは使用できないよう細工していた。抜きとった正規品のソフトはフリマサイトで販売して利益を得ていたという。

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