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6月22日
6月2日(月)配信
先週(5月26日〜6月1日)は、かゆみ改善薬の特許を巡り、知財高裁が後発約メーカーの特許権侵害を認定し、賠償金の支払い命令を出したニュースなどが報じられた。
かゆみ改善薬の用途特許を侵害されたとして、東レが後発医薬品を手がける沢井製薬と扶桑薬品工業に損害賠償を求めて起こした訴訟で、知財高裁が5月27日、2社による特許権侵害を認め、2社に合計で217億円超の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。東レが同日付で発表した。同発表によると、沢井製薬に対して142億9093万円、扶桑薬品に対して74億7287万円の支払いなどを命じた。
判決では、東レの特許権存続期間中に2社が後発品の製造販売を行ったことが特許権侵害に当たると認定されたという。
東レは有効成分「ナルフラフィン」をかゆみ改善薬に用いる用途特許が切れる2017年、特許庁に延長を申請。一方、沢井製薬と扶桑薬品は2018年、ナルフラフィンに添加物を加えた後発薬の承認を厚生労働省から受け、製造販売を開始していた。東レは同年、特許権侵害差止請求訴訟を提起したが、一審・東京地裁は2021年に請求を棄却、東レは控訴していた。
沢井製薬の親会社、サワイグループホールディングスは同日付リリースで「到底容認できるものではない」として、「速やかに上告を含むあらゆる法的手段を講じる方針」を示した。扶桑薬品も同日付リリースで、「到底承服できかねる」として、「最高裁判所へ上告する準備を進める」考えを示した。
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複数のメディアが6月1日付で報じたところによると、政府が近くとりまとめる「知的財産推進計画」の2025年版で、技術革新に関する世界ランキングの目標順位を明記する方針だという。日本経済新聞の同日付報道によると、世界知的所有権機関(WIPO)が定める「世界イノベーション指数(GII)」で4位まで入ることを目指すという。日本は2024年、13位だった。同記事によると、人工知能(AI)の利活用などを推進する考えだという。
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エーザイは5月29日、抗がん剤「レンビマ」の特許権を侵害したとして、インドの後発医薬品メーカー、シルパ・メディケアに対して米国で起こしていた訴訟に勝訴したと発表した。現地時間28日付で判決が出た。シルパは、エーザイが持つ特許の独占期間が2036年2月に満了するまで、後発医薬品の販売承認を米国食品医薬品局(FDA)から得ることができない。 エーザイは、レンビマの後発医薬品について簡略新薬承認申請を行ったシルパに対し、2019年11月、米ニュージャージー州連邦地裁に特許権侵害訴訟を提起していた。
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AIによるイノベーションの促進とリスク対応の両立を目指す新法「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」が、5月28日の参議院本会議で賛成多数で可決、成立した。
新法では、AI技術が経済社会の発展の基盤だとして開発・活用を推進する一方で、AI技術の利用に起因して国民の権利利益が侵害される事案が起こった場合は、政府が調査して関係者を指導するほか、国民に情報提供を行うなど、必要な措置を講じるとしている。また、AIを活用する事業者は国や地方公共団体の施策に協力する責務があると明記した。
さらに、総合的で計画的なAI施策を講じるため、政府が「人工知能基本計画」を策定し、これらを推進する「人工知能戦略本部」を内閣に設置、総理大臣を本部長に据えることなどを定めた。
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