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6月22日
6月9日(月)配信
先週(6月2日〜6月8日)は、政府が2025年版の「知的財産推進計画」を策定したニュースなどが報じられた。
政府は6月3日、首相官邸で知的財産戦略本部の会合を開き、「知的財産推進計画2025」を決定した。AIの活用を強化する方針や、海外サーバー経由の特許権侵害行為への対応、仮想空間におけるデザイン保護強化に向けた意匠法改正の実施、国際標準戦略への注力、コンテンツ力を生かした地方創生などを柱として打ち出した。
具体的な数値目標として、世界知的所有権機関(WIPO)による「グローバルイノベーション指数」のランキングにおいて、2035年までに4位以内に入ることを掲げた。日本の2024年順位は13位。過去最高順位は2007年の4位だった。さらに、国内市場において主要企業の時価総額に占める無形資産の割合を2035年までに50%以上(「日経225」指数構成企業において)に高めることも目標に据えた。2020年時点では32%だった。同年、米国は90%(S&P500)、中国は44%(上海深圳CSI300)、韓国は57%(KOSDAQ COMPOSITE INDEX)だったという。
AI施策を巡って、石破茂首相は「競争力ある知的財産を創出するため、AIの利活用を抜本的に強化していく」として、「AI技術の進歩と知的財産権の適切な保護の両立を目指し、法、技術、契約の各手段を組み合わせた取組を促進する」考えを表明。併せて、AI開発の透明性確保や、AIを利用した発明について発明者の定義をどうするかといった問題についても検討していく方針を示した。
国際標準戦略については、特に重要な8つの戦略領域として、環境・エネルギー、食料・農林水産業、防災、デジタル・AI、モビリティ、情報通信、量子、バイオエコノミーを選定。関連人材の育成や専門サービスの育成・強化を図るほか、国際的なネットワーキングを強化していくとした。
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日本新聞協会は6月4日、生成AIサービスが報道コンテンツを学習・利用する際に、権利者側がコンテンツの無断学習を拒否する措置を講じているにも関わらず、一部の事業者がそれを回避してコンテンツを収集しているとして、事業者らに権利者側の意向を尊重するよう求める声明を出した。同時に、政府に対しても、コンテンツの保護に向けた制度整備を急ぐよう求め、「著作権法や競争法といった従来の枠組みにとどまらない総合的な対応も求められる」と訴えた。
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