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特許 令和3年(行ケ)第10052号「カット手法を分析する方法」(知的財産高等裁判所 令和3年12月20日)

4月20日(水)配信

 

【事件概要】
 拒絶査定不服審判において、本願補正発明の第1ステップ~第4ステップの各ステップは、いずれも、人間の精神活動そのものであるから、自然法則を利用したものではないという理由で出願を拒絶した審決が支持された事例。
判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

【争点】
 本願補正発明の発明該当性の有無。

 

【結論】
 本願補正発明の第1のステップないし第4のステップは,全体として考察すると,分析者が,頭髪の知識等を利用して自然乾燥ヘアスタイルを推定し(第1のステップ),分析の対象となる頭部の領域を選択し(第2のステップ),セクションに適した分類項目の中から分析者が推定した分析対象者のヘアスタイルを分類し(第3のステップ),この分類に対応するカット手法の分析を導出する(第4のステップ)ことを,頭の中ですべて行うことが含まれるものである以上, 仮に,分析者が頭の中で行う分析の過程で利用する頭髪の知識や経験に自然法則が含まれているとしても,専ら人の精神的活動によって課題の解決することを発明特定事項に含むものであって,「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるとはいえないから,特許法2条1項に規定する「発明」に該当するものとはいえない。

 

【コメント】
 特許法2条1項に規定する発明に該当するか否かは、「特許を受けようとする発明が前提とする技術的課題、その課題を解決するための技術的手段の構成、その構成から導かれる効果等の技術的意義に照らし、全体とし『自然法則を利用した技術的思想の創作』に該当するか否かによって判断すべきものである」との判断枠組みに則して判示されるケースが少なくないように思われる。本判決もその判断枠組みを明示しているが、本判決は、技術的課題、技術的手段の構成及び技術的意義という3つの観点を総合的に考察する判断手法を用いたというより、本願補正発明の課題解決手段に着目して、当該課題解決手段が自然法則を利用したものか否かを評価する判断手法を用いたようにも思われる。発明該当性の有無の判断手法としては、その方がむしろシンプルでわかりやすいように思われる

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 和田 雄二)

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