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特許 令和3年(行ケ)第10080号「図柄表示媒体」(知的財産高等裁判所 令和4年5月11日)

7月20日(水)配信

 

【事件概要】
 本件発明は甲4発明及び周知技術に基づいて容易に想到し得たとして、特許無効審判請求を不成立とした特許有効審決を取消した事例。
判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

【主な争点】
 甲4には、「溶剤インクジェット印刷を施すことにより印刷層を形成することができる黒色の再帰反射フィルム」が記載されている旨の審決における甲4発明の認定の是非。

 

【結論】
・・・印刷層の形成に関し、甲4には「従来の印刷手法に加え、溶剤及びUVインクジェットに対応しています」との記載があるのみであり、溶剤インクジェット印刷が非透光性のインクを用いたものに限られるとの記載又は示唆はみられない。・・・本件出願日当時、溶剤インクジェット印刷においては、透光性(透明性)を有するCMYのインクが広く用いられていたものと認められるから、仮に、本件出願日当時、溶剤インクジェット印刷において非透光性のインクが用いられることがあったとしても、溶剤インクジェット印刷に対応しており、かつ、・・・溶剤インクジェット印刷が非透光性のインクを用いたものに限られるとの記載も示唆もみられない甲4の記載に接した当業者は、甲4は透光性を有するインクを用いた溶剤インクジェット印刷に対応しているものと容易に理解したといえる。
・・・甲4には「溶剤インクジェット印刷を施すことにより透光性の印刷層を形成することができる黒色の再帰反射フィルム」が記載されていると認められるから、甲4発明は、そのように認定するのが相当である。これと異なる本件審決の認定は誤りである。

 

【コメント】
 上記判示のとおり、審決の甲4発明の認定には誤りがあると判断され、その結果、一致点及び相違点が再認定されて、本件発明は甲4発明及び周知技術に基づいて容易に想到し得たものとされた。
 本件出願時、溶剤インクジェット印刷において透光性を有するインクを用いることが技術常識であり、甲4に溶剤インクジェット印刷が非透光性のインクを用いたものに限られるとの記載がない以上、上記判示のとおり甲4発明を認定されてもやむを得ないように思われる。

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 和田 雄二)

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