『人×IP』Force~知財人材それぞれのキャリア~

ホーム > 知財人材インタビュー企画 > 弁理士 金子真紀さん

『人×IP』Force ~知財人材それぞれのキャリア~
この記事をはてなブックマークに追加

北海道で知財! TLO, 大学, そして特許事務所
北海道での知財キャリア

弁理士 金子 真紀さん

技術移転機関(TLO)での仕事

北海道大学キャンパスにて
広々とした北海道大学のキャンパス. あまりに広いためキャンパス内を無料循環バスが走っている. この日はあいにくの雨.

成田 IP Forceのユーザーは、企業の知財部の方や特許事務所の方が多いのですが、TLOというと、あまり馴染みがないかもしれません。具体的にはどのような仕事をするのか教えてもらえますか?

金子 はい。大きな枠組みでいうと、大学の技術シーズを探索して、それを企業に紹介して、両者の橋渡しをする役割ですね。具体的な活動としては、技術移転についての展示会やイベントに出展するなどして、そこで企業の方に大学の技術シーズを紹介していきます。

成田 大学の知財部とはどう違うのでしょうか?

金子 現在の大学の知財部や産学連携部にかなり近い活動をしていたと思います。TLO設立当時はまだ大学に知財部がそれほど整備されていない時代だったので、北海道内の大学をまとめて担当する広域知財部、という役割でした。

成田 なるほど。いまは大学に知財部が設置されていることが多いですが、一昔前まではありませんでしたよね。大学の技術を企業に紹介してからは、どのように進めるのですか?

金子 興味をもってくれた企業が出てきたら、大学の先生と企業との調整です。最終的なゴールはライセンスを締結してライセンス収入を得ることですね。

成田 企業に紹介して興味をもってもらうのも大変な仕事ですが、大学の技術シーズを拾い上げるというのも難しいように思います。

金子 TLO設立当時は時代の流れもあり、大学の先生たちが自分の技術を積極的にもってきてくれたことも多かったようです。私がTLOに移った時にはすでに技術シーズの探索がひと段落していた時期だったということもあって、シーズ探索よりも売り込みの方が中心でした。

成田 大学の研究者としてみたら、研究資金確保は重要なミッションですからね。

金子 はい。

成田 大学の技術を企業に売り込むというのは、お題目としては格好が良いのですが、実際はそう簡単ではないですよね。企業のニーズにドンピシャリの技術があることはそう多くないでしょうし。実際はどうなんですか?

金子 そうですね、たしかにすぐに売れるということはそれほど多くないですね。「まずは共同研究で」というケースが多かったです。

成田 ほんとうに橋渡しですね。北海道TLO(株)は、今でも活動を続けているのでしょうか? いまでは各大学に知財部が整備されていますが。

金子 大学のそうした流れを受けて、北海道TLO(株)は2009年の3月末をもって会社解散しました。

成田 そうでしたか。先駆者としての役割を終えたということでしょうかね。TLOが盛んだった時期は一巡した感がありますが、TLOが盛んに活動した結果として、企業との共同研究が活発になったという実感はあります。自分が大学院生だった頃にはそうした動きは今ほどは活発ではなかったように思います。

金子 そうですね。

成田 私も大学の仲間を巻き込んで技術の事業化を目指しているのですが、大学の技術を基にした事業化や、企業との連携を進めるという動きが、大学内で市民権を得てきているので、昔よりはやりやすくなっていると思います。この点はTLOやUNITTの活動のおかげだとおもいます。一昔前だと、どうしても「お金を稼ぐのはどうも・・・」という文化が根強かったように思います。

金子 そうかもしれませんね。

成田 私としては、企業との共同研究を活性化して、大学の人間の視野を広げてくれたという点で、TLOで活躍された方々には感謝の気持ちが大きいです。

金子 そう言って頂けるとありがたいです。

1 2 3 4 5 6