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2月16日
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2月25日(月)配信
先週(2月18〜24日)は引き続き、米中間の貿易交渉の行方に関心が向けられた。両国による米国時間21日〜24日までのワシントンでの閣僚級協議を経て、現地24日にトランプ米大統領は、懸案となっていた構造問題などで「重要な進展があった」として、3月1日の交渉期限を延長する方針を表明。「さらなる進展」があれば、米中首脳会談を自身の別荘で開催する意向も示した。
国内では、ネット上の海賊版対策として、違法ダウンロードの対象をすべての著作物に拡大する著作権法改正案について、自民党文部科学部会などが22日開催の会議で了承した。
国内では、著作権法の改正案をめぐって動きがあった。自民党文部科学部会などが22日、権利者に無断でインターネット上に掲載された漫画などを海賊版と知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする同改正案を会議で了承した。刑事罰の適用範囲については、刑事罰の対象となる行為を反復して繰り返すなど、常習的に悪質な行為を繰り返している場合に限定するとした。
「スクリーンショット」についても、撮影の対象が著作権を侵害していると知りながら行った場合には違法となる。政府は3月にも法案を閣議決定し、通報国会に提出する見通し。
同法の改正案をめぐっては、そのたたき台となった文化審議会の最終報告書について、個人による創作活動や情報収集の自由を阻害するとして、法律の専門家や有識者、クリエイターや出版業界の関係者などから見直しを求める多くの声が出ていた。
行政関連ではこのほか、経済産業省が19日、特許庁とベトナム当局との間で実施されている特許審査ハイウェイ(PPH)の対象件数が、これまでの100件から200件に倍増すると発表した。4月1日から実施する。
米中間の貿易問題について、トランプ米大統領は米国時間24日、両国間の交渉で「重要な進展があった」として3月1日の交渉期限を延長する考えを表明した。「さらなる進展」があれば、フロリダ州にある自身の別荘で習近平中国国家主席との首脳会談を開き、最終的な合意を目指す考えであることも明らかにした。自身の公式ツイッターで表明した。期限の延長期間や首脳会談の開催時期については触れていないが、これまでの報道では、トランプ氏は1ヶ月間程度の期間延長、3月中の首脳会談開催に意欲を示しているとされていた。
一方、中国の英字新聞チャイナ・デイリー(電子版)も中国時間25日付で、中国側代表団の話として、「米中間で、特定の問題について重要な進展があった」と報じた。
米中両政府は貿易問題について、ワシントンで現地時間21日から閣僚級協議を開催、当初の予定を2日間延長して24日まで交渉を続けた。トランプ氏のツイートによると、「知的財産の保護、技術移転、農業、サービス、通貨に加え、その他多くの問題を含む重要な構造問題」における両国間の交渉で重要な進展があったという。
具体的にどのような進展があったのかについては明らかにされていないが、ロイター通信は現地24日付で、関係筋の話として、「双方は重要な構造問題をめぐる交渉が進展したことを受けて、24日には通商合意がまとまった場合にどのように履行を徹底するかについて話し合った」と伝えている。
これまでの協議では、農業や為替問題で大きな進展があった一方で、焦点となっていた知財、構造問題などで隔たりが残り交渉のハードルとなっていたため、決着を急ぎたいトランプ氏と構造問題にこだわるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との間で立場の違いが浮き彫りになるシーンもあったとされる。
構造問題については、政治体制の根幹にも関わる問題だとして中国側の抵抗も強かったとみられていることから、実際に中国側からどのような譲歩を引き出すことができたのかが注目される。
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