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3月23日
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3月25日(月)配信
先週(3月18日〜24日)は、世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2018年の国際特許出願件数で、企業別ではファーウェイが2位以下を大きく引き離して首位となったことがわかった。国別でも中国の台頭が著しかったほか、地域別ではアジア地域が世界の出願件数の半数以上を占める結果となるなど、イノベーションの主な担い手が西洋からアジア地域に移行していることが印象付けられる結果となった。
米中貿易交渉をめぐっては、28、29日に北京で、4月3日からワシントンで閣僚級協議が再開されることが発表された。知的財産権の保護を中国に順守させる仕組みや、追加関税の扱いをめぐるやりとりの行方に関心が集まっている。
WIPOが欧州時間3月19日に発表した年次報告書によると、2018年の企業別国際特許出願件数でファーウェイが5405件となり、2位以下を大きく引き離して世界トップとなった。国別の国際出願件数では米国が1位(前年比0.9%減の5万6142件)だったものの、中国が大きく伸長し、2位(9.1%増の5万3345件)に入った。日本は3位(3.1%増の4万9702件)。なお、全体の出願件数は3.9%増の25万3000件だった。
地域別でみると、急伸が続く中国に加え、韓国、インドなどの伸びもあり、アジア地域が全体の半数以上を占める形となった。WIPOのフランシス・ガリー事務総長は、アジアの台頭が決定的となった2018年の結果について、「重要な節目」と評価。「歴史的、地理的にイノベーション活動が西洋から東洋へとシフトしていることを強く示している」との見解を示した。
企業別出願件数の順位は以下の通り。
1位:ファーウェイ・テクノロジー、5405件
2位:三菱電機、2812件
3位:インテル、2499件
4位:クアルコム、2404件
5位:ZTE、2080件
6位:サムソン・エレクトロニクス、1997件
7位:BOEテクノロジーグループ、1813件
8位:LGエレクトロニクス、1697件
9位:LMエリクソン、1645件
10位:ロバート・ボッシュ、1524件
分野別出願件数の順位は以下の通り。
1位:デジタル・コミュニケーション、2万271件(8.6%増)
2位:コンピューター・テクノロジー、1万9152件(8.1%増)
3位:電気機器・エネルギー、1万6577件(7.0%増)
4位:医療テクノロジー、1万5826件(6.7%増)
5位:輸送、1万867件(4.6%増)
国別出願件数順位は以下の通り。
1位:米国、5万6142件(0.9%減)
2位:中国、5万3345件(9.1%増)
3位:日本、4万9702件(3.1%増)
4位:ドイツ、1万9883件(4.9%増)
5位:韓国、1万7014件(8%増)
6位:フランス、7914件(1.2%減)
7位:英国、5641件(1.3%増)
8位:スイス、4568件(1.8%増)
9位:スウェーデン、4162件(4.7%増)
10位:オランダ、4138件(6.6%減)
米中貿易交渉は、閣僚級協議が28、29日に北京で、4月3日からワシントンで開催される。ホワイトハウスが23日付で発表したとして、各種メディアが報じた。米側からは、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官らが参加し、中国側からは劉鶴副首相が交渉に臨む。
24日付の時事通信によると、4月下旬にも行う首脳会談での最終合意を視野に入れ、2週連続で難航分野を集中的に議論する予定で、中国に知的財産権保護などの合意内容を順守させる仕組みや、追加関税の扱いをめぐって激しい攻防になることが予想されるという。
国内では、違法ダウンロードの対象範囲を拡大する著作権法改正案について、政府が19日、衆院に対し同法案の今国会への提出を見送ることを伝達したことが報じられた。
同法案をめぐっては、政府が13日に今国会への提出見送りを決定していた。有識者や漫画家から懸念する声が相次いだことを受け、国民の理解を偉られていないと判断したため。今後は、漫画家などの利害関係者も議論に加えた上で、内容を再検討する考え。
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