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12月1日
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1月30日(水)配信
特許庁とINPIT(工業所有権情報・研修館)は1月28~29日、「グローバル知財戦略フォーラム2019」を都内で開催した。同フォーラムは知財にまつわる注目テーマを扱い、各企業の取り組み事例を紹介するほか、パネルディスカッションを実施するなどの形で2012年から毎年開催されてきたもの。業界関係者の情報交換やネットワーク形成の場としても活用されており、今年は2日間で延べ1600人ほどの知財関係者が参加した。
今回のテーマは、「新しい時代と価値をデザインするビジネス×知財戦略」。初日はグローバル企業の事例を中心に、「デジタル革命」「サーキュラーエコノミー」「デザイン経営」「オープンイノベーション」などをキーワードに、データ・技術・デザインにまつわる知財戦略をテーマに扱った。 2日目は特にスタートアップに焦点を当て、スタートアップのグローバル戦略に知財はどのような役割を果たしているのか、スタートアップのエコシステムを発展させるうえで知財はどのように貢献できるかを議題にパネルディスカッションを行った。
初日に挨拶に立った特許庁の宗像直子長官は、中国が知財大国を目指して制度改革を急速に進め、デジタル革命による技術・ビジネスモデルが続々と生まれるなど、知財を取り巻く状況が加速度的に変化する中、特許庁も「今までの成功体験に縛られていてはいけないという危機感」から、顧客の視点を反映させてビジネスを見直す「デザイン経営」を導入したと紹介。そして、デザイン経営で得た「多くの気づき」をもとに、さまざまな制度改革を進めていることを説明した。 その例として、製造方法・ソフトウェアといった侵害されたことを立証しづらいものについて、「証拠収集手続きを補強できないか、損害賠償額を適正化できないか」という議論を審議委員会で始めたことや、スタートアップ支援策として、審査スピードを速める「スーパー早期審査」の導入、専門家によるビジネス・知財両面でのアドバイス提供などを開始したことを挙げた。 長官は最後に、「日本企業は人々の感覚にきめ細かく寄り添える底力を持っていると思う」と話し、「その日本企業の底力とスタートアップの新しい力が合わされば、日本はもっともっと元気になれると確信している」と挨拶をしめくくり、デジタル革命などが進む先で、新旧の企業がオープンイノベーションによって連携することが日本経済に活力を生み出すとの考えを示唆した。
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