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先週の知財ニューストピックス(7月8日〜14日)

7月16日(火)配信

 先週(7月8日〜14日)は、漫画の海賊版サイト「漫画村」の元運営者とされる男が海外で拘束されたことが伝わったほか、国内でも同容疑者に協力していたとされる男女2人の容疑者が著作権法違反の疑いで逮捕されたとのニュースが伝わった。
 さらに、海賊版サイトへ誘導するリーチサイト「はるか夢の址」の運営者3人に対し、講談社が約1.6億円の損害賠償を求めて民事訴訟を起こすなど、著作権絡みのニュースが多かった。

「漫画村」元運営者がフィリピンで拘束、関与の2人も逮捕

 各メディアは7月7日、人気漫画を無断でコピーし掲載していた海賊版サイト「漫画村」の元運営者とされる男が、滞在先のフィリピンで身柄を拘束されたと報じた。同事件をめぐっては、福岡県警などが著作権法違反の疑いで逮捕状を取っており、今後、同容疑者の身柄を日本に移送して逮捕する方針だという。
 さらに10日には、同事件に関連した著作権法違反容疑で、福岡県警などが東京都の20代の男女2人を逮捕したことが伝わった。2人はフィリッピンで拘束された元運営者とされる男の友人とされ、画像をサイトに掲載していたとみられている。複数の報道によると、漫画村の運営には10人以上が関与していた疑いがあるとみられているという。
 漫画村をめぐっては、被害を訴えた出版社が告訴したことで、福岡県警などが捜査を進めていた。漫画村は2018年4月に閉鎖されている。

講談社、「はるか夢の址」の運営者らに民事訴訟、1.6億円請求

 講談社は9日、同社の漫画雑誌を無断でコピーした海賊版サイトのURLをまとめたリーチサイト「はるか夢の址」の運営者ら3人に対し、約1億6000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に民事訴訟を起こしたと発表した。
 損害賠償額については、同社が発刊する「ヤングマガジン」「イブニング」などの合計8誌で同社の編集著作権が侵害されたことによる損害額として算定した。
 これら運営者3人は、今年1月、著作権法違反などで大阪地裁から実刑判決を受け、控訴している。

音楽関係団体・事業者ら、アップルに無許諾音楽アプリの対策強化求める要望書

 日本レコード協会などの音楽関係4団体とAWAなどの音楽配信サービス事業会社4社は7月11日、アップルに対し、無許諾音楽アプリの対策強化を求める要望書を6月28日付で提出したと発表した。
 無許諾音楽アプリとは、著作権者や著作隣接権者などの権利者が想定しない様態での音楽配信を可能にするアプリで、近年、氾濫が問題視されているという。要望書を提出した団体によると、多くのユーザーがこれらのアプリを介して音楽を聴くことで、運営者がアプリ上に掲載される広告から不当に利益を得る形となり、著作権が侵害されているという。
 これまでは、無許諾音楽アプリと認識されるものがアプリストアに公開された場合、日本レコード協会を通じてアップルに削除申請し、対応を待っていた。しかし、申請しても削除されないものがあったり、削除されても形を変えて再度登録されたりするなど、アプリストア側の対応が十分と言えない状況にあるという。
 こうした事情を踏まえ、今回の要望書ではアップルに対し、アプリの登録・公開前の審査段階で無許可音楽アプリと思われるアプリに対し、事前に日本レコード協会と連携するなどの事前審査を強化すること、権利者から削除申請があった場合はアップルの規約に違反するアプリに対して迅速に削除するよう対応を強化することなどを求めたという。
 なお、今回要望書を提出したのは、日本レコード協会のほか、日本音楽事業者協会、日本音楽出版社協会、日本音楽制作者連盟の音楽関係3団体と、AWAのほか、KKBOX Japan、LINE MUSIC、楽天の3事業者。

ヤフー、積極的な商標出願は「先取り防ぐため、独占使用の意図ない」

 ヤフーは8日、このところ他人の商標の先取りとなるような大量の商標出願が行われているとして、そうした状況を踏まえ、同社サービスで使う商標について先取り防止の観点から積極的に商標出願を行っていると発表した。さらに、インターネット業界全体において「先取り」されると影響が大きい商標についても、防衛的な観点から商標出願を行っていることを明らかにした。
 ヤフーによる最近の積極的な商標出願については、独占的な使用を意図しているのではないかと危惧する声があるといい、同社はこうした懸念に対し、「そうした意図はない」とした。仮に、業界全体への影響を考慮して出願したとする商標が登録された場合でも、業界において「広く使ってもらえるようにしたいと考えている」という。
 ヤフーは6月13日付で、「フリークエンシーキャップ」「入札戦略」「レスポンシブ」「リッチアド」「エージェンシーポータル」「ターゲットシイピイエイ」などの商標を出願していた。

三井住友信託とレジェンド、スタートアップ支援の投資ファンド設立

 三井住友信託銀行と、ベンチャー投資育成事業を手がけるレジェンド・パートナーズは10日、主にスタートアップ企業に投資を行う投資ファンド運営会社「NES」を共同で設立すると発表した。さらなるスタートアップ企業の育成に向け、資金供給に加え、起業家、大学、地方自治体などと連携して新しいエコシステムをつくることを目指す。出資比率は、レジェンドが85.01%、三井住友信託が14.99%。
 新会社では、スタートアップへの投資にとどまらず、ファンドの投資収益を活用し、起業家育成を目的とした「企業塾」や、上場企業創業者・事業経験のある投資家による経営支援のための「エンジェル塾」を継続的に展開する。事業経験者が持つ豊富な経営ノウハウや人脈からなる「人材」と、地方の大学が持つ特許や技術からなる「知」、リスクマネーを供給する「資金」の3つを有機的に結びつけて循環させることが目的。

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