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11月24日
7月29日(月)配信
先週(7月22日〜7月28日)は、専門機関の調査で、2019年上半期の電子コミックの売上規模が約28%増(前年同期比)の大幅増となったことが伝わった。2018年4月の海賊版サイト「漫画村」の閉鎖が影響しているとみられる。海賊版サイト対策をめぐっては、政府の有識者会議で改めて検討が始まった。
このほか、京都大学の本庶佑特別教授が、がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料などをめぐって対立する小野薬品工業に対して提訴する考えを固めたことなどが報じられた。
出版業界の調査研究機関である全国出版協会・出版科学研究所が25日に発表した2019年上半期(1〜6月期累計)の出版市場の統計によると、電子出版の市場規模(小売り額)は前年同期比22.0%増の1372億円となり、このうち電子コミック(電子コミック誌含む)が27.9%増の1133億円の大幅増となった。コミック誌を除く「文字もの」からなる電子書籍は8.5%増、電子雑誌は15.1%減の73億円だった。
同協会・研究所では、昨年4月に海賊版サイト「漫画村」が閉鎖したことなどを、電子コミックが大きく伸びた要因として挙げている。
なお、紙と電子を合計した出版市場全体の規模は、1.1%減の7743億円だった。
政府は26日、知的財産戦略本部の有識者会議を開催し、インターネット上の海賊版対策などを改めて議題に取り上げた。同日付の時事通信によると、アクセスを強制遮断する「ブロッキング」の法制化をめぐり、出席者から早期の議論開始を求める意見が出たという。
会議の事務局が同日提示した総合的な対策案では、先の会議で関連法案の提出が見送られた、静止画(書籍)のダウンロード違法化の法制度整備を速やかに行うことなどが明記された。法制度の変更を前提としないアクセス警告方式の導入や、リーチサイト対策のための法整備についても行うよう提案した。
一方、ブロッキングについては、「他の取り組みの効果や被害状況等を見ながら検討」と表記するにとどめていた。
がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料などをめぐって京都大学の本庶佑特別教授と 小野薬品工業が対立している問題で、各紙が27日、本庶氏側が分配金150億円の支払いを求めて大阪地裁に提訴する方針を固めたなどと報じた。同日付の日本経済新聞は、本庶氏の弁護士が同紙の取材に対し、「小野薬品の対応次第だが、9月初旬にも訴訟を提起することになるだろう」と述べたと伝えている。
複数のメディアが、韓国の最高裁が三菱重工に元徴用工らへの賠償を命じた訴訟をめぐり、原告側が23日、すでに差し押さえている三菱重工の資産の売却を最高裁に申請したことを明らかにしたと報じた。元徴用工をめぐる一連の訴訟では、新日鉄住金(日本製鉄)と不二越を訴えた原告も、株式を売却する手続きを進めている。
報道によると、売却申請が行われたのは、三菱重工の商標権2件と特許権6件とされる。
特許庁は26日、松永明長官の就任挨拶をトップページで公表した。松永氏は挨拶で、AIやIoT、ブロックチェーンなどの技術の汎用化が進み出す中で、新たなビジネスの推進のために国内外で早期に安定した権利化ができるよう知財システムの整備・支援を続けていくとした。
また、知財権の侵害を受けた場合に権利を効果的に行使できるよう、知財訴訟制度のあり方を引き続き検討していく考えを示した。
さらに、イノベーションの創出を担う大学や中小・ベンチャー企業への支援を続けるとして、大学のすぐれた研究成果を発掘し研究者目線で知財戦略をデザインする「知財戦略デザイナー」を派遣する取り組みを始めたことを紹介した。
松永氏は今月5日付で長官に就任した。
アップルとインテルは米国時間25日、インテルが保有するスマートフォン・モデム事業の大半をアップルが約10億ドルで買収することで合意したと発表した。これにより、インテルの社員約2200人がアップルに移籍するほか、付随する知的財産やリース機器などもアップルに移る。契約は2019年第4四半期に成立する見込み。
アップルがすでに保有する特許と、新たに取得する特許を合わせると、アップルは1万7000件以上のワイヤレステクノロジーの特許を保有することになるという。
ホワイトハウスは現地時間24日、米通商代表部のライトハイザー代表とムニューシン財務長官が米中貿易交渉を継続するため、中国・上海を訪問すると発表した。協議は30日から開始する。中国側は、劉鶴副首相が責任者を務める。
交渉では、知的財産や技術移転の強要、非関税障壁、農業、貿易赤字などが議題になる予定。
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