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特許 平成30年(行ケ)第10147号「卓上敷マット」(知的財産高等裁判所 平成31年4月18日判決)

10月2日(水)配信

 

【事件概要】

 本願意匠は、引用の意匠1及び意匠2から創作容易であるとして意匠法32項に該当するとした拒絶審決を受け、その取消を求めたが、裁判所は審決を支持し、請求を棄却した。

判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

 

〈本願意匠〉

 

 

〈意匠1〉

 

 

〈意匠2〉

 

 

【裁判所の判断】

 本願意匠は「卓上敷マット」に係るものであり、全体が平面視略横長長方形のシート状であり、長手方向に多数敷かれた真菰が略等間隔の5本の糸で短手方向に編まれて、外周縁に細帯状の化粧縁布が設けられている。編み糸の色彩は平面視左から緑、赤、白、紫、黄であり、化粧縁布には濃緑色の地に金色の亀甲文様が配されて、その亀甲中央に金色の菱紋状模様が表されている。原告は、引用の意匠1の物品は慶弔用品分野の「マット」、意匠2の物品は同じ分野の「盆茣蓙」である点をとらえて、本願意匠と引用意匠の物品の非類似の点などを根拠として創作容易ではないとして争った。しかし、裁判所は、「卓上敷マット」を含むテーブル掛けなどの物品分野の当業者は、物品分野は異なるものの、意匠1から着想を得て、真菰を並べて形成された「卓上敷マット」を想到し、更に真菰を並べて形成された慶弔用品の「盆茣蓙」である意匠2の形態を本願意匠に係る物品である「卓上敷マット」に転用することを容易に想到することができたと認められる、と判断した。また、本願意匠と意匠2はその形態につき、縦横の比率がやや異なり、編み糸の色彩の配置もやや異なるが、その点も着想の新しさや独創性はないとされた。

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤英二)

 

書誌等(裁判所ウェブサイトまたは知的財産高等裁判所ウェブサイト)

 

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