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特許 平成31年(行ケ)第10005号「アプリケーション生成支援システムおよびアプリケーション生成支援プログラム」(知的財産高等裁判所 令和元年9月19日判決)

12月18日(水)配信

 

【事件概要】

 本件は、拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。

判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

【争点】

 争点は、独立特許要件違反(進歩性欠如)の判断の誤りの有無である。

 

【結論】

 審決は、設定ファイルを設定するパラメータを、携帯通信端末に固有のネイティブ機能を実行させるためのパラメータとすることは、引用発明に周知技術を適用することにより、容易に想到し得ると判断した。

 判決は、引用発明は、アプリケーションサーバにおいて検索できるネイティブアプリケーションを簡単に生成することを課題として、同課題を、既存のウェブアプリケーションのアドレス等の情報を入力するだけで、同ウェブアプリケーションが表示する情報を表示できるネイティブアプリケーションを生成することができるようにすることによって解決したものであるから、携帯通信端末の動きに伴う動作を行わないウェブアプリケーションの表示内容を表示するネイティブアプリケーションを生成しようとする場合、生成しようとするネイティブアプリケーションを携帯通信端末の動きに伴う動作を行うようにする必要はなく、したがって、設定ファイルを設定するパラメータを「携帯通信端末に固有のネイティブ機能を実行するためのパラメータ」とする必要はなく、引用発明に周知技術を適用することの動機付けはないから、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明することができたということはできないと判示した。

 

【コメント】

 判決は、引用発明は、テンプレートアプリケーションに含まれるプログラムファイルについては、新たにソースコードを書く必要はないところ、PhoneGapによってネイティブアプリケーションを生成するためには、HTMLやJavaScript等を用いてソースコードを書くなどする必要があるものと認められるから、引用発明に、ソースコードを書くなどの行為が要求されるPhoneGapに係る技術を適用することには阻害事由があるというべきであるとも判示している。

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 阿部寛)

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