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1月19日
2月19日(水)配信
【事件の概要】
本判決は、本誌の昨年3月号で紹介した東京地裁判決(平成29年(ワ)第40178号)の控訴審の判決である。原判決は、本件登録意匠とイ号意匠は類似しないとし、侵害を否定した。控訴審である知財高裁は、原判決を支持して控訴を棄却した。
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【判決理由とコメント】
本件登録意匠は、アイマスクの紐及び紐に取り付けられたビーズを実線で表した部分意匠である。
原判決では、要部認定について、公知意匠を参酌して、本件登録意匠の要部は、「耳かけストラップの中間部及び先端部の二箇所にビーズが現れる形態」にあるとしていたが、控訴人は、需要者が重要視するのは全体の美感であり、差異点に係る先端のビーズでないと主張した。これに対し、知財高裁は、「本件登録意匠は、アイマスクのマスク部の両脇より延びる耳かけストラップ部分の部分意匠であり、ストラップ部において、中間部及び先端部の2箇所にビーズが現れることは、需要者の印象に大きく残るものである」として原判決の要部認定を支持し、控訴人主張を否定した。また、同様に要部認定にあたり、出願経過での意見書の主張を参酌した原判決を支持した。
さらに、控訴人が、美感の共通性として、本件登録意匠のデザインからビーズ一つを削除する改変はありふれた改変であると主張したが、そうであるとしても、両意匠が類似していることにはならないとして、控訴人主張を否定した。これは、改変容易かどうかと美感の評価は異なるということであろう。
【本件登録意匠】
【イ号意匠】
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤 英二)
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