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商標 平成29年(ワ)第6906号「BELLO事件」(大阪地方裁判所 平成30年11月5日)

2月26日(水)配信

 

事件の概要 服飾雑貨の製造、販売を業とし、太ゴシック体の「BELLO」などの文字からなる登録商標(以下、「本件各商標」という。)を有する原告が、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を運営する被告が直営店舗で「BELLO」の文字など(以下、「被告各標章」という。)を付した、ミニオンのキャラクターグッズである被告各商品を販売する行為等が本件各商標権を侵害するとして、被告に対し、被告各商品の販売等の差止めなどを求めた事案である。

判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

主たる争点 被告各標章の商標的使用該当性(商標法26条1項6号)。

 

判決要旨

 被告各標章の商標的使用該当性について、ミニオンの図柄や被告各標章が服飾品のデザインとしての性質を有することを前提にしつつ、更に被告各標章の使用態様や取引の実情等を総合考慮して検討する必要があるとする。そのうえで、以下のことを指摘している。

 ミニオンは、それが登場する米国の映画が大ヒットとなり、一般的に高い周知性を有しているキャラクターであると推認される。そして、被告各商品は、そのようなキャラクターグッズであるから、需要者は、ミニオンのキャラクターに関心を有し、被告各商品がミニオンのキャラクターグッズであるという点に着目してこれを購入するものと考えられる。

 USJを訪れる需要者が上記のような関心を有することに加え、パーク内のキャラクターとしてミニオンが導入されていることからすると、需要者にとっては、ミニオンはUSJ(被告)がパーク内と近隣で運営する店舗で販売している公式のキャラクターグッズであるということをもって、他の商品との出所の識別としては十分であり、それ以上に被告各商品の出所の識別を意識する動機に乏しいと考えられる。

 被告各標章や「BELLO!」が、広くミニオンのキャラクターとセットで使用されていることからすると、パーク内及び近隣の直営店舗を訪れた需要者は、被告各標章や「BELLO!」をもって、少なくとも周知のミニオンのキャラクターと何かしら関連性を有する語ないしフレーズとして認識すると考えられる。

 本件各商標が被告各商品の需要者の間で周知性を有するとは認められないから、その既知性に基づいて被告各商品の需要者が被告各標章を出所表示として認識するとはいえない。また、USJのオンラインストア以外のオンラインストア等で被告各商品に接した需要者は、USJが自前のミニオンというキャラクターを用いた商品として、その出所をその表記によって識別すると考えられ、被告各標章をミニオンの図柄とは関連のないものとして、それによって被告各商品の出所を識別するとは考え難いというべきである。

 証拠により示されたこれまでの取引の実情に基づく限り、被告各商品が販売されているいずれの局面においても、被告各標章が出所表示として機能していないから、被告各標章は、商標的使用には該当しない。

 

コメント

 本判決は、キャラクターグッズにおいて、キャラクターや本件各商標の周知性、被告各標章の使用状況等の具体的な取引の実情等から商標的使用該当性を判断しており、実務上参考になる。

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁護士 石川 裕彬)

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