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1月19日
3月18日(水)配信
【事件の概要】
本判決は、大阪地裁判決(平成28年(ワ)第12791号)の控訴審の判決である。原判決は、侵害を一部肯定し、一部否定したが、控訴審である大阪高裁は、原判決を支持して控訴を棄却した。
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【判決理由とコメント】
本件意匠(登録第1224615号)は、「検査用照明器具」に係り、工場等において製品の傷等を検査するために用いられるもので、図において左端のポート部より光を発するものであるが、本件意匠は図において右側の放熱フィンと軸の部分を実線で表した部分意匠である。
争点の1つである無効の主張については、原判決と同様に、本件意匠は各公知意匠に類似しないとし、各公知意匠の組み合わせ容易でもないとして、無効とされるべきものではないとした。
争点の2つ目である本件意匠が一審被告のイ号意匠ないしヘ号意匠に類似するか否かについては、原判決ではイ号意匠、ロ号意匠及びハ号意匠については、差異点は要部ではないとして類似とし、ニ号意匠、ホ号意匠及びヘ号意匠については放熱フィン下部のテーパ切り欠き面の有無により非類似としていたが、控訴審である本判決もこの判断を支持した。それにあたって、一審原告は非類似の部分について、一審被告は類似の部分についてそれぞれ争う主張を行ったが、いずれも認めなかった。
このように、本判決は原判決を支持したが、類似判断における判断主体である取引者・需要者について、原判決は検査を必要とする製品の製造業者等と認定したが、本判決では、製造工場等における機器等の購入担当者、検査業務の従事者等であると認定したように、より具体的できめ細かい認定判断を行っている。
【本件意匠】
【イ号意匠】
【ニ号意匠】
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤 英二)
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