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特許 令和元年(行ケ)第10116号「回転ドラム型磁気分離装置」(知的財産高等裁判所 令和2年5月20日)

11月4日(水)配信

 

【事件概要】

 本件は、拒絶査定不服審判において、「本件審判の請求は、成り立たない。」とした審決が取消された事例である。

判決文を「IP Force 知財判決速報/裁判例集」で見る

 

【争点】

 争点は、独立特許要件違反(新規性,進歩性欠如)の判断の誤りの有無である。

 

【結論】

 本件補正発明の特許請求の範囲の「流路を形成する」とは,第2の回転ドラム21から第1の回転ドラム13に向かうクーラント液の流路を形成するものと解すべきである。一方、引用文献1には,マグネットドラム27とタンク17の底部の間に,マグネットドラム25からマグネットドラム27に向かう混濁液の流れが生じていることを読み取ることができる記載があるとは認められないから,当業者が,引用文献1の記載から,引用発明について,マグネットドラム25からマグネットドラム27に向かうクーラント液の流路を形成することを読み取ることはできず,また,上記構成とすることを容易に想到するということもできないというべきである。

 したがって,相違点は,いずれも実質的な相違点であり,かつ,当業者は,これらを容易に想到することができたとは認められない。

 

(本件補正発明)

 

【コメント】

 被告は,実開昭48-53668号(乙1)に記載された発明から,混濁液内に浮遊する微細な鉄粉をマグネットドラムに接近して吸引されるような機会を与えることにより除去することは,技術常識であるとし,引用発明においても,混濁液内に浮遊する微細な鉄粉をオイルタンク内に複数個設置されたマグネットドラムに接近して吸引されるような機会を与える混濁液の緩やかな流れが生じて,マグネットドラム25からマグネットドラム27に向かって混濁液が流れると主張したが、判決は、引用発明において,タンク内に混濁液の流れが生じるとしても,その具体的な方向に混濁液の流れが生じることを読み取ることはできないのであって,この点が,相違点の内容をなすものであるから,乙1に記載された技術を適用しても,相違点は依然として相違点として残るというべきであるとして被告の主張を採用しなかった。

 

(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 阿部 寛)

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