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11月24日
8月18日(水)配信
【事件概要】
この事件は、拒絶査定不服審判の請求を不成立とした審決の取消しを求める事案である。
知的財産高等裁判所は、審決を取り消した。
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【争点】
本願発明が引用発明及び引用技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるか否か。
【結論】
本願発明において、「オイルゲルシート」は「アクリル系粘着剤等の粘着性ではなく、ゲル化したオイルの粘着性によって、皮膚に対して粘着するシート」を意味すると解釈するべきである。
…、引用技術2の「油性ゲル状」「粘着シート製剤」は、…「架橋アクリル系粘着剤」の組成を調整することによって、粘着性を維持しつつ薬剤の溶解性を高めたシートであって、皮膚への粘着性は、従来技術と同様、専らアクリル系粘着剤に依存していることが認められる。
…。
このように、引用技術2の「油性ゲル状粘着製剤」は、本願発明の「オイルゲル」とは技術的意義を異にするから、引用発明に引用技術2を適用しても、相違点に係る本願発明の構成には至らない。
したがって、容易想到性に関する審決の判断には誤りがある。
【コメント】
被告(特許庁)は、「オイルゲル」は有機溶剤を溶媒とするゲルの総称であるとの技術常識が存在し、本願発明の「オイルゲル」の意義や組成について本件明細書には記載がないから上記技術常識に沿って解釈すべきであり、上記技術常識によれば引用技術2の「油性ゲル」は「オイルゲル」に含まれる」旨主張したが、裁判所は、甲7に「有機溶剤(オイル)を少量の固化剤を用いて固形もしくは半固形状にしたものは一般に油性ゲルと呼ばれ、…メイクアップ化粧品を中心に幅広い製品の基剤として用いられている」と記載されており、「化粧品の分野において、「オイルゲル」の用語をこのような意味で用いることも一般的であったと認められるから、「オイルゲル」という用語が、当然に被告主張のような意味に用いられると断定することはできない」として被告の主張を採用しなかった。
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 吉住 和之)
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