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先週の知財ニューストピックス(1月9日〜1月15日)

1月16日(月)配信

 先週(1月9日〜1月15日)は、欧州連合(EU)と日本が水素関連技術の特許で世界をけん引しているとする共同報告書が欧州特許庁(EPO)と国際エネルギー機関(IEA)から発表されたニュースなどが伝わった。

水素関連特許、EUと日本がけん引 日本は自動車部門に強み

 欧州特許庁(EPO)と国際エネルギー機関(IEA)は1月10日、炭素の排出削減につながる技術として期待される、水素関連特許に関する共同報告書を発表した。2011年~2020年の期間に出願された水素関連の国際パテントファミリー(IPFs)件数を国・地域別で分析したところ、28%を占めた欧州連合(EU)と24%を占めた日本が、世界をけん引したことが分かったという。ここでいうIPFsは、世界の2カ所以上で特許出願されている価値の高い発明を指すとしている。
 国別では日本が首位だった。2位は米国で20%を占めたが、主要な上位国の中では過去10年間で出願件数が唯一減少した。EUの中では11%のドイツが最多で、フランスが6%。アジアではほかに韓国が7%、中国が4%だった。
 報告書では、水素の製造から、貯蔵、輸送、最終用途までのすべてをカバーしており、日本は「製造」部門で全体の20%、「貯蔵・輸送・変換」部門で22%、「最終用途」部門で28%を占めた。レポートでは、最終用途の中でも、自動車部門における日本の貢献度の高さが指摘されていた。

【参照ソース・ニュース】

2022年米特許取得件数でサムスンが首位、特許ファミリー数では日本勢に強み=米企業調査

 特許調査会社の米IFIクレームズ・パテント・サービシズの調査によると、2022年の米国における特許取得件数は2018年以来最低水準となり、その中でサムスン電子がIBMから首位の座を奪った。IBMが首位から陥落したのは1993年以来初めて。サムスンは前年比2%減の6248件、IBMは49%減の4398件。3位は台湾のTSMCで8%増の3024件、4位はファーウェイで2%増の2836件。日本勢では5位にキヤノン(11%減・2694件)入ったほか、10位にトヨタ自動車(9%増・2214件)が入った。
 同調査によると、2022年は特許取得件数については低水準だったものの、米国がコロナウイルスによるパンデミックから脱出したため、出願件数では過去最高水準だったという。

【2022年米国特許取得企業上位10社】
・1位:サムスン電子(6248件、前年比2%減) 
・2位:IBM(4398件、49%減)
・3位:TSMC(3024件、8%増)
・4位:ファーウェイ(2836件、2%増)
・5位:キヤノン(2694件、11%減)
・6位:LG電子(2641件、6%増)
・7位:クアルコム(2625件、22%増)
・8位:インテル(2418件、7%減)
・9位:アップル(2285件、10%減)
・10位:トヨタ自動車(2214件、9%増)

 一方、同時に発表された全世界におけるパテントファミリー件数の調査(2023年1月3日時点)では、日本企業が世界のトップ250社のうち3分の1以上を占めるなど、圧倒的な強さを見せた。国別では日本が40%、中国が25%、米国が16%。企業別ではパナソニックホールディングスが9万4341件で首位、2位がサムスン電子(9万2593件)、3位が日立製作所(9万2573件)となり、上位3位までが拮抗した。

【2022年世界特許「ファミリー」保有企業上位10社】
・1位:パナソニックホールディングス(9万4341件) 
・2位:サムスン電子(9万2593件)
・3位:日立製作所(9万2573件)
・4位:中国科学院(CAS)(8万8573件)
・5位:キヤノン(7万3448件)
・6位:東芝(6万5316件)
・7位:美的集団(6万4895件)
・8位:トヨタ自動車(6万4708件)
・9位:三菱電機(6万2083件)
・10位:中国建築(5万8229件)

【参照ソース・ニュース】

「学校だより」のイラスト無断使用、小中学校で相次ぐ

 各地の公立小中学校が、イラストの無断使用による著作権侵害で賠償金の支払いを求められる事例が相次いでいる。
 愛媛県西予市教育委員会は1月11日、市内の中学校が作成した「学校だより」において、インターネット上のイラストを無料素材と誤認し、2年間にわたってホームページ上で無断掲載していたことが判明したと発表した。無断掲載の期間は2021年7月から現在まで。著作権者とは和解済み。各メディアの報道によると、製作者側から著作権侵害の指摘を受け、市教委が賠償金を支払ったという。
 また、西予市の事例に先立ち、10日には佐賀県白石町教育委員会が、町立小学校の学校だよりにインターネット上のイラストを無断掲載していたとして、著作権者に賠償金を支払うと発表したことが伝わっている。
 昨年9月には、川崎市の市立中学校が学校通信に他人のイラストを無断掲載して賠償請求され、市教委が賠償金を支払った事案も発生している。
 いずれの事案も、市教委などはイラストの通常の使用料相場とされる11万~12万円ほどの賠償金を支払ったという。

【参照ソース・ニュース】

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