知財ニュースまとめIP Force が1週間の知財ニュースをサマリー

ホーム > 知財特集記事・知財寄稿記事 > 知財ニュース> 知財ニューストピックス

この記事をはてなブックマークに追加

先週の知財ニューストピックス(11月20日〜11月26日)

11月27日(月)配信

 先週(11月20日〜11月26日)は、先週(11月20日〜11月26日)は、文化審議会の小委員会で、文化庁が生成AIと著作権を巡る問題について検討すべき論点の骨子案を示したニュースなどが報じられた。

文化庁、生成AIと著作権巡る問題で論点提示

 文化庁は11月20日、普及が進むAIと著作権を巡る課題について検討するため、文化審議会の小委員会を開催し、検討すべき論点の骨子案を示した。同委員会では、パブリックコメントなどを経て来年2月には案をまとめ、3月には文化審議会著作権分科会で報告する予定。
 文化庁は骨子案で、生成AIの学習・開発段階では、「著作権法第30条の4」の要件と照らし合わせて著作物の権利侵害に該当するケースをどのように考えるか、侵害があった場合の措置をどうするか、さらに、生成AIの生成・利用段階では「依拠性」をどのように判断するか、そして侵害があった場合の措置をどうするかといった点などをそれぞれ論点として示した。生成物の著作物性の有無をどう判断するかなども論点として挙げた。
 なお、文化庁では、2018年の著作権法改正によって著作権法第30条の4が規定された背景には、技術革新が進む中、イノベーションの創出を促進するものについて、著作物の市場に大きな影響を与えない場合には個々の許諾を不要とするとの趣旨があったということを議論の前提としたい考えを示している。

【著作権法第30条の4】
(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)
 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五参照ウィンドウに表示第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合

【参照ソース・ニュース】

「ADC」技術の知財権、第一三共に認める最終判断 米仲裁協会

 第一三共は11月20日、同社のがん治療薬「エンハーツ」に使われる「抗体薬物複合体(ADC)」技術の知的財産権を巡る米シージェンとの係争について、米国仲裁協会が、第一三共に知的財産権があることを認める最終判断を下したことを発表した。
 2022年8月に下された中間判断でも第一三共への知財権の帰属を認めていたが、今回の決定ではこれに加え、第一三共が今回の仲裁で要した費用のうち約4550万ドルをシージェンに負担させる判断も下された。
 ADC技術を巡り、両社は米国で特許権の帰属についても争っている。米テキサス州東部地区連邦地裁が10月17日に下した一審判決で、第一三共は4180万ドルの損害賠償に加え、2022年4月1日~2024年11月4日の期間におけるエンハーツの米国売上のうち8%をロイヤルティとして支払うよう命じられた。同社は11月16日付で米連邦巡回区控訴裁判所に控訴している。

【参照ソース・ニュース】

こんな記事も読まれています

知財ニュースまとめ
11月25日

12月1日

先週の知財ニューストピックス(11月25日〜12月1日)

知財ニューストピックス

知財ニュースまとめ
11月18日

11月24日

先週の知財ニューストピックス(11月18日〜11月24日)

知財ニューストピックス

知財ニュースまとめ
11月11日

11月17日

先週の知財ニューストピックス(11月11日〜11月17日)

知財ニューストピックス

知財ニュースまとめ
11月4日

11月10日

先週の知財ニューストピックス(11月4日〜11月10日)

知財ニューストピックス