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1月12日
7月10日(水)配信
【事件概要】
第41類「ストレッチ運動及び、体操の教授」を指定役務とする原告商標に係る商標権を有する原告が、被告らが被告らのウェブサイトに被告標章1(「パーソナルストレッチトレーナー」)及び被告標章2(「ストレッチトレーナー」)を付していることが原告の商標権を侵害すると主張し、差止等を請求したが裁判所(東京地方裁判所)は原告の請求をすべて棄却した事案である。
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【争点】
原告商標と被告各標章の類否
【裁判所の判断】
原告商標と被告各標章は、その一部を抽出するのではなく、全体を比較することが相当であると認められるところ、原告商標の称呼は「すとれっちとれーなー」及び「きんしんちょうせじゅつしゃ」であるのに対し、被告標章1は「ぱーそなるすとれっちとれーなー」、被告標章2は「すとれっちとれーなー」であり、称呼は一致していない。
また、原告商標は「ストレッチトレーナー」から「ストレッチの指導員」、「【筋伸張施術者】」から「筋の伸張を施術する者」といった複数の観念が生じるのに対し、被告商標1は「個人的なストレッチの指導員」、被告標章2は「ストレッチの指導員」といった観念が生じ、観念も一致していない。
そして、原告商標は結合商標であって、3段組になった文字に加えて全体を四角枠で囲われているのに対し、被告商標1及び2はゴシック体の文字のみであって、外観は異なっている。
以上のとおり、原告商標と被告各標章とは、その外観、称呼及び観念において相違しており、取引の実情に関する原告の主張も理由がないので、原告商標と被告各標章はいずれも類似しているということはできない。
【コメント】
本判決によると、類否の判断において全体を比較することが相当であるとしたうえで、称呼及び観念が一致しておらず、外観について異なっていると判断しており、一刀両断的に類似性を否定している印象を受けた。なお、本判決においては商標的使用の該当性も争点となっており、裁判所は類否に加えこの点も判断し、商標的使用に当たらないとしている。
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁護士 佐藤慧太)
書誌等(裁判所ウェブサイトまたは知的財産高等裁判所ウェブサイト)
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