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3月23日
11月27日(水)配信
【事案の経緯】
原告は、身体腹部に貼着して使用する「トレーニング機器」に係る本件登録意匠(登録第1593189号)は、同じく「トレーニング機器」に係る引用の甲2意匠(登録第1536247号)に類似するとして無効審判を請求した(無効2018-880003号)。審判官は、両意匠は類似しないとして請求不成立の審決をした。
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【裁判所の判断】
両意匠は、左右対称の6つに分割されたパッドを有するものである。審決においては、本件登録意匠では上パッドと下パッドの上端又は下端が略弓状に膨出した形状を有する点、一方、甲2意匠では上パッドが略横長隅丸5角形状で、左右端が中央パッドよりも上に傾くように配置され、 下パッドが略横長隅丸5角形状で、左右端が中央パッドよりも下に傾くように配置されている点を両意匠の基本的構成態様に含めて認定した。
これに対して原告は、各パッドの個別的な形状は基本的構成態様ではなく、具体的構成態様として認定すべきであると主張した。
裁判所は、審決が認定した各パッドの形状 は、本件登録意匠の輪郭部分を形成し、一見して認識できるものであるから、基本的構成 態様に属するものというべきであると認めた。そして、両意匠においては、基本的構成態様などの違いにより、相違点が共通点を凌駕しているとして、両意匠は類似しないとした審決を支持した。
なお、本判決は、「トレーニング機器」に係る知財高裁平成29年(行ケ)第10198号判決と、別の登録意匠に係るが、引用意匠は同じであり、主張内容や裁判所の判示事項は近似している。
【本件登録意匠】
【甲2意匠】
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤英二)
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